Country:イギリス(1996年)
Official site:https://www.jimmychoo.jp/ja/home
ジミーチュウはラグジュアリーブランドの中でも最近設立された若いブランドです。
しかし、クリスチャンルブタンと並びいまやハイヒールの代名詞となりその地位を築きました。
数々のセレブに愛されるハイヒールは、痛くないヒールというこれまでの課題を取り除く革新的な靴作りをしています。
ジミーチュウの靴は「魔法の靴」と呼ばれています。
足に吸い付くように完璧にフィットして、履き心地の良さがとても評判です。
ジミーチュウはタマラ・メロンとジミーチュウによって立ち上げられました。
ちなみに現在二人はブランドには携わっていません。
ざっくり言うとタマラは経営を、ジミーチュウは靴作りを担当していました。
靴作りを学んだジミーチュウは田舎に「ラッキーシューズ」という店を構えました。
当時ロンドンで有名な靴ブランドと言えば マノロ・ブラニク。
ヴォーグなどの雑誌に掲載するために必要な靴をマノロから調達していましたが、そのシーズンに生産していなければお手上げの状態でした。
そんなときに美しいカスタムメイドの靴を作る職人がいると口コミの噂が広がったのが、細々と靴作りを行っていたジミーチュウでした。
そしてヴォーグにジミーチュウが作った靴が掲載され雑誌にも名前が掲載されます。
ファッション好きの読者がこれを見逃すはずがありません。
しばらくすると小さな工房にヴォーグを見た読者が、そしてセレブたちが訪れるようになります。
ジミーチュウのオーダーメイドはまず、つま先、ヒール、素材、バックルを選びます。
その後にもう一度フィッティングを行い、3度目で最終フィッティングを行っていました。
そこから3週間までの間で完璧な靴が出来上がります。
お客さんの足に合わせて木型を作り、何度もフィッティングを重ねることで「魔法の靴」と呼ばれるようになったのですね。
そんなある日、ダイアナ妃のために数足のカスタムシューズを作ったことで転機が訪れます。
二人はあっという間に意気投合し、英国王室御用達にまでなってしまいました。
ジミーチュウが有名になった理由として、1つ目にジミーチュウの作る靴がとても履き心地が良かったこと。
二つ目にセックス・アンド・ザ・シティの中で「チュウをなくしたわ。」と主人公のサラ・ジェシカ・パーカーが言うセリフが有名でしょう。
ドラマの中で、歴史が浅いブランドがハイブランドと同格に扱われたのはとてもインパクトがありました。
そして3つ目に、レッドカーペッドでジミーチュウの露出が挙げられます。
ホテルのスイートルームに小さなアトリエを作り、そこに女優たちを招待します。
ドレスの色に靴を染めあげカスタムメイドの靴を提供しました。
これが大成功!
どんなCMや雑誌掲載よりも効果抜群です。
1988年にはヴォーグでも特集が組まれるほどの人気でしたが、ジミーチュウは手作りの靴に拘り続けたそうです。
大量の注文があっても1週間にわずか20足作ることがやっとでした。
そんな職人気質のジミーチュウと経営側は考え方が合わなかったのか、ジミーチュウはブランドを去り一部の特別な顧客のための靴作りに専念しています。
そんなジミーチュウですが靴作りのDNAは受け継ぎ、今も歩きやすい靴の製作を行っています。
創立者は去ってしまいましたが、姪であり弟子でもあるサンドラ・チョイがその意思を引き継いでいます。
サンドラは原点に立ち返り、メイドトゥオーダーを開始しました。
イタリアの職人がデザインスケッチからシューズの作成まで担当します。
このサービスは女性の憧れではないのでしょうか。
歩きやすいと言われる理由に、広めに取られたインソール・足の痛みを減らすカッティング・そしてバランスの取れたヒール位置が挙げられます。
現在は靴のみでなく、バッグや革小物といった取り扱いラインが増えています。
勢いに乗っているジミーチュウ。これから発表されるデザインも楽しみですよね。